できたばかりのフロアにポップコーンの香りすらもなにやらすがすがしい新宿ピカデリー。家族連れ、恋人連れ、友達連れ、そんな客層のなかで単身の客がひとり。それは僕。
はい、さっそく見てきました。「崖の上のポニョ」。
封切られたばかりなので、詳しいことを書くと怒る人がいるかもしれないので、あまり踏み込めないですが…まあ、好き勝手に書きます。
もののけ姫以降の最近の宮崎作品の、理屈っぽい内容をむりやりファンタジーでねじ伏せようとしてねじ伏せ切れていない感じが好きなので僕は結構楽しめました。
意外にもかなり科学モノな内容。、SF的だと感じなくてもいいように作られてはいましたが、おかげでかえって知識がないと納得しにくい描写もあり、試写で子供の反応が悪かったという話もチョットうなずけます。
しかし、いままでのSF映画に海洋ネタで傑作と言えるものがあまりなかったので、大人がそういうつもりで見ればかなり新鮮です。これはおとぎ話の皮をかぶったというか、理屈っぽくなりすぎる部分をファンタジーで隠したSFなのです。
以下いろいろと思うたこと。
■ポニョが人間と魚の中間の状態のとき、蛙のような姿、顔つき。今は魚類から哺乳類の進化の中間だから両生類の状態だという意味だろう。いやいや、魚の時の方が人間っぽい顔してなかった?とにかくいちいちこういうアイデアが科学的すぎるので、小さい子には意味がわからないかもしれない。でも後で親が補足してやるとすごく勉強になりそうなので良いこと。こういう知識はいつまでも忘れない。僕も映画版ドラえもんで学んだの知識は良く覚えている。
■CGを使わないと言っていたが、別に今までもそんな使ってなかったし、これは変な言い回しだ。明らかにデジタルでないと不可能な撮影もあったし、ストレートな意味ではなく、「海」とか「グニャグニャなもの」を全部手で書きましたと言う意味なのだと思う。
気になったのはキャラクタライズされていない背景的に細かく動くプランクトン。これがCGでなく手で書いたとすればすごいリアル感。もしかして実写だったの?どう転んでもこれは面白い。
■舞台は瀬戸内海と言われているようですが、その通りだなと思ったのは、主人公の母親が運転する車がやたらとスピード出すというところ。僕の地元では、みんな飛ばします。海沿いの先が見えないカーブをなぜか飛ばすんです。それでもほとんどの人は警察に捕まったこともないしトラブルもあまりありません。
■ほとんどフルアニメーションっていうぐらいによく動きます。
■ポニョのお父さん(フジモト)がなかなかいかしてます。冒頭でハウルのようなシルエットだったので美形キャラなのかと思いや、顔を見ると忌野清志郎的なビジュアルです。今回でいちばん好きなキャラクター。結構面白そうな部分をほのめかすだけほのめかして正体不明のまま終わったので、消化不良でもあり、かえってその謎さが魅力的だった。
どこかでフジモトのスピンオフが見たい。
■主人公が親を名前で呼ぶ。アニメでは微妙な年齢はわからないので、お姉さんなのかお母さんなのかなかなか判断できなくて、まぎらわしいなと思った。幼児を一人前に扱っているというとかそういう意味なのだろうけど、ストーリー自体もそんな内容で、これはなんか妙な感じ。今までも宮崎作品に登場するの子供達は自立していたが、5才で自立はやっぱおかしい。
このへんも含めて、子供が共感しにくかったのかもしれない。
それにしても、いつも親が理解ありすぎる。トトロを見たと言っても素直に信じるさつきとメイのお父さん、腐海を研究していたナウシカを別に怒らない王様、自分自身がラピュタを探しに行っちゃうようなパズーのお父さん…。
一方理解のない親ややたらと干渉してくる親には厳しい。千尋の両親は豚にされたし、娘に厳しかったモロは殺された。なんだこれは。
そして
■アニメーションのアイデアが満載で「ゲド戦記」と比べてベテランの格の違いを見せつけたという感じ。
他人の親子関係にケチをつけるのは気が引けますが、ファンとしては意地を張らずに息子の映画の時も手伝ってくださいよと思うのだが…。この突き放した感じこそが、宮崎監督の考える親子関係なのかもしれない。だとすれば今回の「ポニョ」にもその感覚が見受けられる。
個人的な結論としては、面白かったです。
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